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オペラ113

 投稿者:alceste  投稿日:2017年10月16日(月)11時33分50秒
返信・引用
  2017年11月25日(土)  午後1時30分~
Christoph Willibald Gluck
グルック(1714~1787) アルチェステ
Alceste

アルセスト(仏) アルチェステ(伊)/Alceste
[作曲]:クリストフ・ウィリバルト・グルック/Christoph Willbald Gluck(1714-1787)
[台本]:フランス語稿 フランソワ・ルイ・ガン・ルブラン・ドゥ・ルーレ
イタリア語稿  ラニエーリ・デ・カルツァビージ/Ranieri de Calzabigi
[原作]:エウリピデス/Euripides(BC480-BC406)「アルケースティス」BC438 ギリシャ語
[初演]:フランス語稿版1776年4月23日、パリ/Paris,王立音楽アカデミー
イタリア語稿版1767年12月26日、ヴィーン/Vienna,ブルク劇場/Burg theater

[概説]:

「アルチェステ/イタリア語稿」はグルックの唱えた改革オペラ3部作の第2作目として知られている。グルックはその序文のなかで、「今まで長い間、作曲家は主に歌手の虚栄心を満足させることを最優先にして作品づくりをしてきた。その悪習慣がイタリアオペラを堕落させてしまったのである。改革オペラは悪習慣の数々を徹底的に排除し、意図する効果を得るためには、今までの規則を犠牲にすることも厭わなかった。」と述べている。この試みは成功し、ヴィーンで初演された「アルチェステ」は大好評を博し多数の公演を重ねたが、更にグルックは9年後パリでの上演に向けて大幅な作り直しを行い、不評であったクライマックスも変更した。その後の上演はフランス語稿で行われるようになり、イタリア語稿が演奏されることはほとんどなくなった。改革オペラと言っても決して理が先立つことなく、特に死を覚悟して歌われるアルセストのアリアの数々は夫を愛する故の嘆き、子供を残して逝く悲しみを歌い、一人の女性としての心情を描き尽くし感動を呼ぶ。
尚ここではフランス語稿を基本としてデータ、あらすじを作成している。

【登場人物と出演者】:

アルチェスト(テッサリア地方ペライの王女)・・・・・・アンゲラ・デノケ(S)
アドメート(テッサリア地方ペライの王)・・・・・・・・ポール・グローヴズ(T)
エヴァンドロ(アドメート王の信頼篤き廷臣)・・・・・・マグヌス・スターヴラント(T)
祭司長/地獄の神・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ウイラード・ホワイト(B)
ヘラクレス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・トーマス・オリーマンス(B)
アボローン(アポロの神)・・・・・・・・・・・・・・・イサーク・ガラーン(Br)
伝令官/神託・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フェルナンド・ラドー(B)
合唱:レアル劇場合唱団
管弦楽:レアル劇場管弦楽団
指揮:アイヴァー・ボルトン
演出:クリストフ・ワリコフスキー
2014年3月マドリッド・レアル劇場 ~1776年パリ版による~

[演奏時間]:
序曲3分,
第1幕 51分   第1場5分,第2場15分,第3場9分,第4場10分,第5場8分,第6場2分,第7場5分
第2幕 46分   第1場9分,第2場6分,第3場27分,第4場11分
第3幕 43分   第1場2分,第2場4分,第3場12分,第4場12分,第5場2分,第6場2分,第7場19分
合計約2時間23分

[時と場所]:古代ギリシャ、テッサリア地方のペライ

[第一幕]

第1場 ペライ王アドメートの宮殿前広場
序曲が演奏される中、宮殿前の広場に集まった民衆が、危篤のアドメート王を案じて神への祈りを捧げる短い合唱で幕開きとなる。民衆が国王の死を怖れ、宮殿の窓を見上げると、現れた伝令官により、王の命は絶望的であることが告げられる。嘆き悲しむ民衆は「神々よ、我々の王国はどうなってしまうのか」と歌う。

第2場
アドメート王の信頼篤い廷臣エヴァントロが王女と二人の子供の登場を告げる。現れた幼い子供の姿と、悲嘆にくれるアルセスト王女の様子に民衆は悲しみを増す。アルセスト王女は「国王は、国と愛する者のために尽くしました」と歌い、民衆もこれに和し「悲運なるアドメート王」と国の行く末を嘆く。そして人々は祈りを捧げるためにアボローンの神殿に向かう。

第3場 アボローン神殿
神殿では、祭司長が「神よ、光をお与え下さい」と歌い、民衆も同じ祈りを繰り返す。

第4場
遅れて到着したアルセストが「真実の憐れみが見える」と歌い、捧げ物をお受け下さいと祈る。祭司長はアルセストの願いを神が聞き届けたと告げる。すると託宣者が「アドメート王の命を救うためには、生贄が必要である!」と宣言する。これを聞いた民衆は怖れおののき、神殿から逃げて行く。

第5場
一人神殿に残ったアルセストは「自分の命と引き換えに、愛するアドメートを救うことができるなら、それは犠牲ではない!」と死を決意する。しかし子供達の事を思うとき母アルセストの心は揺れ、絶望にくれる。アルセストは悲しみに耐え、愛する夫アドメート王のために生贄になる覚悟を決め、ついに毒をあおる。そこに祭司長が現れ「王は生き返り、太陽が昇る。しかし王女の命は終わり地獄の門が開くだろう」と告げる。アルセストは残りの毒も飲みほし、自分が犠牲になる憐れを口にはしないと名アリア「冥界の神々よ!」を決然と歌う。

[第二幕] アドメート王の宮殿

第1場
王宮では人々が集い、王の復活を喜び合い「悲しみの後に訪れた幸せ。死に瀕した王国が蘇った!」と歌う。

第2場
アドメート王が登場し、信じられない奇跡によって命が蘇ったと喜ぶ。すると廷臣のエヴァンドロが「名も知れぬ生贄によって王の命は救われたのです」と知らせる。民衆は「生きて下さい!」と王への讃歌が繰り返される。

第3場
アドメート王はこの至上の喜びの時に、なぜアルセスト王女の姿が見えないのかと訝る。そこに衰弱したアルセストが現れる。再会を喜び合う二人は民衆の讃歌に包まれるが、アルセストは死に怯えアリア「神よ、勇気を」と歌う。アドメート王はアルセスト異変に気づき理由を問いただす。アルセストは「死んでも貴方を愛し続けます」と苦しい胸の内を隠し、愛を歌う。苛立つアドメート王が退席しようとするので、アルセストはついに「生贄は私なのです!」と告白する。一同が息をのみ、アドメート王は「神々は何と残酷だ!アルセストなしに生きられぬ!」と神々に激しく憤りながら去り、アルセストは泣き崩れる。

第4場
人々がアルセストの悲運を嘆き見守る中、衰弱したアルセストは横たわり「大いなる勇気を」と愛する者を残して死んで行く悲しみを歌う。そして民衆とともに「人生は夢のようで、花のように儚い」と歌うが、次第に取り乱し、その場を去る。

[第三幕]

第1場 アドメート宮殿の中庭
エヴァンドルと民衆はアルセストの死が近い事を嘆き「泣け、祖国よ、テッサリアの人々よ!」と歌う。

第2場
二人の子供は母親との別れが近いことも知らず無邪気に遊んでいる。そこにアドメート王の友人であるエルキュール(ヘラクレス)が登場する。エヴァンドルからことの成り行きを聞いたしエルキュールは「黄泉の国から必ずアルセスト王女を取り戻してくる!」と子供達に約束する。そして「死の神達の生贄に供えさせはしない!」と勇ましく歌う。

第3場 黄泉の国の入口
黄泉の国にやって来たアルセストは荒涼とした景色と夜鳥の叫び声に怯えている。そこにアルセストを呼ぶ地獄の神々の声が聞こえてくる。「ああ、無慈悲な神々よ!」と歌うアルセストの膝は震え、足取りは定まらない。愛する夫のため、国のためと、子供を残してまでも死を決意したが、やはり恐怖に怯えるアルセストの苦悩の叫びが黄泉の国の闇に響く。しかし神々は容赦なく「長くは待たせぬ!」と呼びかけて来る。

第4場
するとアルセストの後を追ってきたアドメート王が現れる。「共に生きられないのなら二人で死のう」と死の覚悟をした王に、アルセストは子供を託すと懇願し、「愛する妻の思い出を忘れないために生きて下さい」と説得する。そして二重唱「わたしの苦しみの声に」で互いの愛を確かめあい、固く抱き合う。しかし現れた死の神は「二人で死ぬことは許されぬ」と決断を迫る。アルセストは神の前に歩みでて「さようなら、最愛の夫アドメート」と歌う。死の神に連れ去られたアルセストを追いながら、アドメートは激怒し「地獄の道を開けよ!」と神々に叫ぶ。

第5場
そこに約束通りエルキュールが現れると、地獄の神々を次々と倒してしまう。そしてアルセストを取り返し、アドメート王のもとに連れ帰る。

第6場 アドメート王の宮殿の中庭
帰還したアルセスト、アドメート王そしてエルキュールを民衆が喜び迎える。神アボローンが登場し、英雄エルキュールを称え、永遠の命を授ける。

第7場
アボローンの神は喜びにわく人々を称え、アルセスト、アドメート王、エルキュールは「善意の神よ!」とアボローンの神を称える。民衆も讃歌を歌い喜びに包まれて幕となる。
 
 

opera113

 投稿者:alceste  投稿日:2017年10月10日(火)17時04分17秒
返信・引用
  2017年11月25日(土)  午後1時30分~
Christoph Willibald Gluck
グルック(1714~1787) アルチェステ
Alceste

アルセスト(仏) アルチェステ(伊)/Alceste
[作曲]:クリストフ・ウィリバルト・グルック/Christoph Willbald Gluck(1714-1787)
[台本]:フランス語稿  フランソワ・ルイ・ガン・ルブラン・ドゥ・ルーレ/Francois-Louis Gand Leblanc Du Roullet
イタリア語稿  ラニエーリ・デ・カルツァビージ/Ranieri de Calzabigi
[原作]:エウリピデス/Euripides(BC480-BC406)「アルケースティス/Alcestis」BC438 ギリシャ語
[初演]:
フランス語稿版1776年4月23日、パリ/Paris,王立音楽アカデミー/Opera national de Paris
イタリア語稿版1767年12月26日、ヴィーン/Vienna,ブルク劇場/Burg theater
[演奏時間]:
序曲3分,
第1幕    第1場5分,第2場15分,第3場9分,第4場10分,第5場8分,第6場2分,第7場5分
第2幕    第1場9分,第2場6分,第3場27分,第4場11分
第3幕    第1場2分,第2場4分,第3場12分,第4場12分,第5場2分,第6場2分,第7場19分
合計約2時間43分

[概説]:

「アルチェステ/イタリア語稿」はグルックの唱えた改革オペラ3部作の第2作目として知られている。グルックはその序文のなかで、「今まで長い間、作曲家は主に歌手の虚栄心を満足させることを最優先にして作品づくりをしてきた。その悪習慣がイタリアオペラを堕落させてしまったのである。改革オペラは悪習慣の数々を徹底的に排除し、意図する効果を得るためには、今までの規則を犠牲にすることも厭わなかった。」と述べている。この試みは成功し、ヴィーンで初演された「アルチェステ」は大好評を博し多数の公演を重ねたが、更にグルックは9年後パリでの上演に向けて大幅な作り直しを行い、不評であったクライマックスも変更した。その後の上演はフランス語稿で行われるようになり、イタリア語稿が演奏されることはほとんどなくなった。改革オペラと言っても決して理が先立つことなく、特に死を覚悟して歌われるアルセストのアリアの数々は夫を愛する故の嘆き、子供を残して逝く悲しみを歌い、一人の女性としての心情を描き尽くし感動を呼ぶ。
尚ここではフランス語稿を基本としてデータ、あらすじを作成している。

【登場人物】
アルセスト/Alcesteテッサリア地方ペライの王女(S)
アドメート/Admeteテッサリア地方ペライの王(T)
エウメーロ/Eumelioアルセストの子供(黙役)
アスパーシア/Aspasiaアルセストの子供(黙役)
エヴァンドロ/Evandreアドメート王の信頼篤き廷臣(T)
アボローン/Apollonアポロの神(Br)
祭司長/High Priest アポロ神殿の祭司長(Br)
伝令官/Herald アドメート王の廷臣(B)
託宣者/Oracle神のお告げを伝える者(B)
地獄の神/Thanatos死の神(B)
エルキュール/Herculesギリシャの英雄ヘラクレス、アドメート王の友人(Br)
フランス語稿のみ
イスメーネ/Ismeneアルセストの女官、友人(S)
イタリア語稿のみ
廷臣達、アルセストの女官達、祭司達、黄泉の国の神々、民衆、他

[時と場所]:古代ギリシャ、テッサリア地方のペライ

第一幕

第1場 ペライ王アドメートの宮殿前広場
序曲が演奏される中、宮殿前の広場に集まった民衆が、危篤のアドメート王を案じて神への祈りを捧げる短い合唱で幕開きとなる。民衆が国王の死を怖れ、宮殿の窓を見上げると、現れた伝令官により、王の命は絶望的であることが告げられる。嘆き悲しむ民衆は「神々よ、我々の王国はどうなってしまうのか」と歌う。

第2場
アドメート王の信頼篤い廷臣エヴァントロが王女と二人の子供の登場を告げる。現れた幼い子供の姿と、悲嘆にくれるアルセスト王女の様子に民衆は悲しみを増す。アルセスト王女は「国王は、国と愛する者のために尽くしました」と歌い、民衆もこれに和し「悲運なるアドメート王」と国の行く末を嘆く。そして人々は祈りを捧げるためにアボローンの神殿に向かう。

第3場 アボローン神殿
神殿では、祭司長が「神よ、光をお与え下さい」と歌い、民衆も同じ祈りを繰り返す。

第4場
遅れて到着したアルセストが「真実の憐れみが見える」と歌い、捧げ物をお受け下さいと祈る。祭司長はアルセストの願いを神が聞き届けたと告げる。すると託宣者が「アドメート王の命を救うためには、生贄が必要である!」と宣言する。これを聞いた民衆は怖れおののき、神殿から逃げて行く。

第5場
一人神殿に残ったアルセストは「自分の命と引き換えに、愛するアドメートを救うことができるなら、それは犠牲ではない!」と死を決意する。しかし子供達の事を思うとき母アルセストの心は揺れ、絶望にくれる。アルセストは悲しみに耐え、愛する夫アドメート王のために生贄になる覚悟を決め、ついに毒をあおる。そこに祭司長が現れ「王は生き返り、太陽が昇る。しかし王女の命は終わり地獄の門が開くだろう」と告げる。アルセストは残りの毒も飲みほし、自分が犠牲になる憐れを口にはしないと名アリア「冥界の神々よ!」を決然と歌う。

第二幕 アドメート王の宮殿

第1場
王宮では人々が集い、王の復活を喜び合い「悲しみの後に訪れた幸せ。死に瀕した王国が蘇った!」と歌う。

第2場
アドメート王が登場し、信じられない奇跡によって命が蘇ったと喜ぶ。すると廷臣のエヴァンドロが「名も知れぬ生贄によって王の命は救われたのです」と知らせる。民衆は「生きて下さい!」と王への讃歌が繰り返される。

第3場
アドメート王はこの至上の喜びの時に、なぜアルセスト王女の姿が見えないのかと訝る。そこに衰弱したアルセストが現れる。再会を喜び合う二人は民衆の讃歌に包まれるが、アルセストは死に怯えアリア「神よ、勇気を」と歌う。アドメート王はアルセスト異変に気づき理由を問いただす。アルセストは「死んでも貴方を愛し続けます」と苦しい胸の内を隠し、愛を歌う。苛立つアドメート王が退席しようとするので、アルセストはついに「生贄は私なのです!」と告白する。一同が息をのみ、アドメート王は「神々は何と残酷だ!アルセストなしに生きられぬ!」と神々に激しく憤りながら去り、アルセストは泣き崩れる。

第4場
人々がアルセストの悲運を嘆き見守る中、衰弱したアルセストは横たわり「大いなる勇気を」と愛する者を残して死んで行く悲しみを歌う。そして民衆とともに「人生は夢のようで、花のように儚い」と歌うが、次第に取り乱し、その場を去る。

第三幕

第1場 アドメート宮殿の中庭
エヴァンドルと民衆はアルセストの死が近い事を嘆き「泣け、祖国よ、テッサリアの人々よ!」と歌う。

第2場
二人の子供は母親との別れが近いことも知らず無邪気に遊んでいる。そこにアドメート王の友人であるエルキュール(ヘラクレス)が登場する。エヴァンドルからことの成り行きを聞いたしエルキュールは「黄泉の国から必ずアルセスト王女を取り戻してくる!」と子供達に約束する。そして「死の神達の生贄に供えさせはしない!」と勇ましく歌う。

第3場 黄泉の国の入口
黄泉の国にやって来たアルセストは荒涼とした景色と夜鳥の叫び声に怯えている。そこにアルセストを呼ぶ地獄の神々の声が聞こえてくる。「ああ、無慈悲な神々よ!」と歌うアルセストの膝は震え、足取りは定まらない。愛する夫のため、国のためと、子供を残してまでも死を決意したが、やはり恐怖に怯えるアルセストの苦悩の叫びが黄泉の国の闇に響く。しかし神々は容赦なく「長くは待たせぬ!」と呼びかけて来る。

第4場
するとアルセストの後を追ってきたアドメート王が現れる。「共に生きられないのなら二人で死のう」と死の覚悟をした王に、アルセストは子供を託すと懇願し、「愛する妻の思い出を忘れないために生きて下さい」と説得する。そして二重唱「わたしの苦しみの声に」で互いの愛を確かめあい、固く抱き合う。しかし現れた死の神は「二人で死ぬことは許されぬ」と決断を迫る。アルセストは神の前に歩みでて「さようなら、最愛の夫アドメート」と歌う。死の神に連れ去られたアルセストを追いながら、アドメートは激怒し「地獄の道を開けよ!」と神々に叫ぶ。

第5場
そこに約束通りエルキュールが現れると、地獄の神々を次々と倒してしまう。そしてアルセストを取り返し、アドメート王のもとに連れ帰る。

第6場 アドメート王の宮殿の中庭
帰還したアルセスト、アドメート王そしてエルキュールを民衆が喜び迎える。神アボローンが登場し、英雄エルキュールを称え、永遠の命を授ける。

第7場
アボローンの神は喜びにわく人々を称え、アルセスト、アドメート王、エルキュールは「善意の神よ!」とアボローンの神を称える。民衆も讃歌を歌い喜びに包まれて幕となる

 

opera112

 投稿者:savonrinna  投稿日:2017年10月 6日(金)12時14分13秒
返信・引用
  2017年10月28日(土) 午後1時30分~
Leoš Janáček ヤナーチェク(1854年~1928)歌劇 「死者の家から」
From the House of the Dead

初演 1930年 4月12日、国民劇場(ブルノ)
設定 19世紀、シベリア

登場人物と出演者

アレクサンドル・ペトロヴィッチ・ゴリャンチコフ
(ドストエフスキーが自らを投影した政治犯)・・・・ヴィッレ・ルネサン(Br)
アリイエイヤ(アレクサンドルから読み書きを教わるタタール人の少年囚)・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハンナ・ランタラ(S)
フィルカ・モロゾフ(ルカ・クズミッチという偽名を使っていて、秘められた過去を持ち、監獄の所長を殺した男)・・・・・・・・・・・ミカ・ポホヨネン(T)
スクラトフ(金持ちの男に恋人を奪われた哀れなお調子者の囚人)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アレシュ・ブリスツエイン(T)
シシュコフ(結婚したばかりの妻を殺した男)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クラウディオ・オテッリ(Br)
シャプキン(耳が大きいために監獄に入れられた囚人)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・エイドリアン・トンプソン(T)
司令官(BBr)、大男の囚人(T)、小男の囚人(B)

サボンリンナ音楽祭合唱団
サボンリンナ音楽祭管弦楽団
指揮:トマーシュ・ハヌス
演出:デーヴィッド・パウントニー
2016年7月26日、28日オラヴィ城中庭特設会場(フィンランド)
あらすじ

【第一幕】  シベリアのイルティン河畔にある獄舎
囚人たちが監房から出て来てそれぞれ朝の身支度をしている。大男の囚人と小男の囚人が喧嘩を始めるので、ルカ・クズミッチという偽名を使っているフィルカ・モロゾフが仲裁に入る。そこに新入りの囚人のアレクサンドル・ペトロヴィッチ・ゴリャンチコフが連行されて来る。ゴリャンチコフは私物を全て取り上げられて足かせをはめられる。ここに来た理由を問われたゴリャンチコフは政治犯だと答える。司令官はそれを聞くと生意気だと怒り始め、ゴリャンチコフに鞭打ち100回の罰を言い渡す。
囚人たちは傷ついた鷲を見つけて逃がそうとするが、翼を痛めた鳥は飛ぶことができない。彼らは衛兵に作業の開始を命じられて持ち場に散っていく。囚人たちは靴を縫いながら歌ったり踊ったりして気を紛らす。ルカ(フィルカ)は浮浪者として牢に入れられたが、横暴な監守長を刺し殺してシベリアに送られたとこれまでの経緯を語る。そこに鞭打ちの罰を受けたゴリャンチコフがよろよろと戻って来る。

【第二幕】 河畔にある船の解体場
1年後、囚人たちは船の解体やレンガ積みの作業をしている。政治犯ゴリャンチコフは、まだ幼さの残る若いダッタン人アリイエイヤと話すうちに彼に読み書きを教えようと思い立つ。炊事番の囚人が、今日は祭だ、芝居が始まるぞ、と告げて駆け去る。牧師が皆を祝福し、囚人たちは食事のテーブルを囲む。
その席でスクラトフの身の上話が始まる。スクラトフにはドイツ人の恋人がいたが、ある日、前触れもなく金持ちに嫁いでしまう。失意の中、相手の顔を見に出かけると、恋人を奪った男は45歳の醜い男で、訪ねてきたスクラトフをけんもほろろに追い返そうとした。腹に据えかねてピストルを出すと、そんな大胆なことが出来るものかとバカにされ、腹立ちのあまり相手を撃ち殺してしまったのだ。
やがて、足かせをつけた囚人たちによる芝居が始まる。ドン・ファンの物語を面白おかしく脚色した芝居は大笑いのうちに幕を下ろす。ゴリャンチコフとアリイエイヤは金を払って茶を飲むが、これを妬んだ小男の囚人は、アリイエイヤに湯沸かしを投げつけて怪我をさせる。囚人たちは騒ぎ、小男の囚人は衛兵に捕らえられる。

【第三幕】
[第1場] 獄舎内の病院
政治犯ゴリャンチコフは若いダッタン人アリイエイヤを看病している。読み書きが出来るようになったアリイエイヤは、楽しそうに聖書の話をする。傍らのベッドではルカ(フィルカ)が虫の息になっている。苦しそうなルカ(フィルカ)の咳を聞いて、シャプキンは自分が捕まったときにどれほどひどく耳を引っ張られたかという話をし、ルカ(フィルカ)の咳よりよほど苦しかったと言った後、気が狂ったように踊りだす。他の囚人たちは気が狂ったのかとシャプキンを見る。
スクラトフは熱にうなされて昔の恋人の名を呼び続けている。
一方、シシュコフは自分の罪を語りだす。シシュコフの妻は大農場主の娘だった。ところが、農場の共同経営者の息子で女たらしのフィルカが彼女に手を付け、しかもそれを周囲に公言したために嫁のもらい手がなくなった。困った農場主はシシュコフに娘を押しつけた。
金持ちの身代わりに兵隊になる契約をした当のフィルカは、入隊までの無礼講をかさに着て、生娘と寝たり酒の風呂につかったりと好き放題した挙げ句、今はシシュコフの妻となった女に別れを告げに来た。ところが、その妻はフィルカを咎めるどころか、彼が世界で一番好きだと言い切った。怒ったシシュコフは畑で妻の喉をかき切ったのだった。その話が終わると同時にルカが息を引き取る。その死に顔をのぞき込んだシシュコフは、お前がフィルカだったのか、と叫ぶ。

[第2場] 獄舎の中庭
司令官が政治犯ゴリャンチコフに、かつて自分が命じた鞭打ちを詫びている。ゴリャンチコフは母の嘆願が実って釈放されることになったのだ。足かせを外されたゴリャンチコフは、死者が復活したぞと喜び、囚人たちは飼っていた大鷲を空に放つ。鷲は囚人たちの自白の合唱に乗って大空に飛んで行く。


作曲家ヤナーチェク(Leos Janacek)  1854.07.03~1928.08.12

チェコ・モラヴィア地方生まれ。主なオペラ作品は利口な女狐の物語、カーチャ・カバノヴァ、イエヌーファ、死者の家から
スメタナ、ドヴォルザーク、マルティヌーと共にチェコを代表する作曲家レオシュ・ヤナーチェクは1854年7月3日、モラヴィアで生まれる。東洋風なこの地方の民族音楽を素材として、きわめて特徴のある音楽作品を書く。民族的素材の取り上げ方はハンガリーのベラ・バルトークほど徹底的ではないが、バルトークより一歩先んじている。彼は民謡を分析し、その特徴をよく咀嚼して独特の楽想を創り出す作曲技法を駆使して優れた作品を生み出した。私生活では貧乏教員の家庭の10番目の子として生まれ、貧しさゆえに苦学しながら学生時代を送る。11才でブルノの聖歌隊に入り音楽に深く関わるようになり、更にプラハのオルガン学校に入学し、ウィーン音楽院のサマースクールに遊学する。ブルノで教職に就き、その傍ら合唱指揮、音楽評論家として音楽活動の幅を広げる。1885年から故郷モラヴィア地方の民謡の収集を始め、これらを編曲し出版するが、これは先輩ドヴォルザークがスラヴ舞曲の収集、作編曲に倣ったのかもしれない。その後ブルノ・オルガン学校の校長として生涯を音楽教育にささげる。彼の作品ではオペラが重要で、「イエヌーファ」「カーチャ・カバノヴァ」「利口な女狐の物語」「死の家より」、管弦楽曲では「タラス・ブーリバ」が代表作である。彼の作品は日本民謡とよく似た短調の旋律が多く、5音音階を多用する傾向がある。また彼は、旋律を耳で聞いた限りでは、拍子に区切りにくいような微妙なリズムを用いる事が多く、これはモラヴィア民謡の特徴でもある。この様な音楽の特徴からヤナーチェクは<モラヴィアのムソルグスキー>と呼ばれる事がある。この<モラヴィアのムソルグスキー>は1928年8月12日に多くの音楽ファンに惜しまれながら故郷で神に召された。彼の死を知らされたブルノ歌劇場では、オペラ公演後交響曲エロイカの第二楽章が追悼のために演奏され、全チェコスロバキアの人々は心から彼の死を悼んだ。

サボンリンナ音楽祭

オラヴィ城という軍事的拠点で初めてオペラが上演されたのは、フィンランド独立を遡ること5年前の1912年である。既にヨーロッパ・ツアーを行うなど名声を得ていたフィンランドのソプラノ歌手アイノ・アクテは熱心な愛国者だったこともあり、1907年より風光明媚なこの城をオペラ会場として目をつけていた。
こうしてアクテの指揮の下で始まったオペラ祭は以後5年間に渡って毎年夏に開催される。この間に上演されたのは、5回中4回がフィンランド人による作曲のオペラというものであった。しかし1917年以後は第一次世界大戦やフィンランド独立、翌年のフィンランド内戦などの混乱で中止となる。
その後歌唱の講習会が行われるようになって国際的なオペラ公演の必要性が主張されるようになり、1967年になってから再び開催されるようになった。この時はベートーヴェンのフィデリオが上演された。再開後は新作オペラの初演も行われ、アウリス・サッリネンの『騎手』『王はフランスへ行く』『宮殿』、パーヴォ・ヘイニネンの『ナイフ』、エイノユハニ・ラウタヴァーラの『アレクシス・キヴィ』、カレヴィ・アホとオッリ・コルテカンガスの共作『時と夢』の6作品が上演されている。現在では開催が1か月に及ぶ一大イベントに成長している。毎年の総動員数は6万人に達し、そのうち4分の1は外国からの観光客と見られている。
 

opera111

 投稿者:aida  投稿日:2017年10月 6日(金)12時08分24秒
返信・引用
  017年10月5日(土) 午後1時30分~
VERDI
ヴェルデイ(1813~1901)<アイーダ>
Aida
明快で華麗な「戦争オペラ」

■原作:オーギュスト・マリエット・ベイの原案に基きカミーユ・デュ・ロークルが仏語の散文体で書いた台本を基にしている。
■台本:アントーニオ・ギスランツォー二
■作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ 1870年
■初演:1871年12月24目、オペラ座(カイロ)
■演奏時間:前奏曲22分、第1幕35分、第2幕40分、第3幕30分、第4幕30分
■時:古代エジプトのファラオ(王)が権力を持っていた時代
■所:エジプトのメンフィスとテーべ

登場人物と出演者
エジプト王・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ロベルト・タリアヴィーニ
アムネリス(エジプトの王女)・・・・・・・・・・・アンドレア・ウルブリヒ
アイーダ(奴隷、実はエチオピアの王女)・・・・・・ヘー・ホイ
ラダメス(エジプトの若き将軍)・・・・・・・・・・マルコ・ベルティ
ランフィス(エジプトの祭司長)・・・・・・・・・・フランチェスコ・エルレロ・ダルテーニヤ
アムナズロ(エチオピア王でアイーダの父)・・・・・アンブロージョ・マエストリ
ベローナ野外劇場合唱団
ベローナ野外劇場管弦楽団
指揮:ダニエル・オーレン
演出:ジャン・フランコ・デ・ボジオ
2012年6月23日 ベローナ野外劇場(イタリア)

解説

ヴェルディの作品中最もポピュラーなオペラで上演回数も最も多い。原作が素人のアイディアによるのでドラマとしては深みは無いが、凱旋行進曲を初め<浄きアイーダ><勝ちて帰れ>など一般受けする曲が多い。
オペラとしては第3幕以降が劇的で迫カがある。
あらすじ
時:古代エジプトのファラオ(王)が全盛の時代
場所:エジプトのメンフィスとテーベ
第1幕
〔第1場〕メンフィスの王宮の広間
祭司長ランフィスはエチオピア征討軍の総大将の名をイシスの神の神託で受げて来た。それを聞いたラダメスは、もしその総大将になれたら敵を打ち破り、その手柄としてアイーダをもらい、一緒になりたいと若き軍人の夢とアイーダヘの愛の讃歌を歌う、アリア<清きアイーダ Celeste Aida>。そこに秘かにラダメスを想う王女アムネリスが現われ、ラダメスの様子を見て、誰か愛する人ができたのではないかと訝る。そこに折悪しくアイーダが現われるので二人の女はラダメスをはさみ共に心をさぐり合う。
その時国王が宮廷の人々と共に現われ、今回の征討軍の総大将はイシスの神のお告げにより、ラダメスとすると発表する。アムネリスが勝ちて帰れとラダメスを激励すると全員がそれに和して叫ぷ。皆が大広間から去って一人残ったアイーダは父の国エチオピアを討ちに行く恋人を送って、祖国愛と恋人への思いの相克に悩む、アリア<勝ちて帰れRitorna vincitor !>。

〔第2場〕火の神の神殿
神秘的な祈りの歌が聞こえてきて、赤々と燃え上がる炎の祭壇の前で、巫女たちが神に棒げる踊りを舞う。ラダメスが神殿に入って来て、ランフィスは神より賜った剣を彼に授ける。二人は武運を祈り、荘厳な祈りのうちに幕が降りる。

第2幕
〔第1場〕アムネリスの部屋
アムネリスは凱旋の祝宴に出るため侍女たちに化粧や着付けをさせている。化粧も終わり侍女たちが下がると、アイーダが悲しげに入って来る。アムネリスはアイーダの本心を探るためにラダメスは戦死したと嘘を言う。アイーダが驚き悲しむのを見て、アムネリスは自分の疑惑が確かだった事を悟って怒り、身分違いの恋はやめよと居丈高に言う。アイーダは私だって実はエチオピアの王女、と口の端にのぼるのを押え悲しみを堪えて、アムネリスに許しを請う。遠くから聞こえてくる凱旋の行進に、アムネリスは怒って退場しアイーダは脆いて神に祈る。

〔第2場〕テーベ城門
凱旋のラッパが高らかに鳴り渡り、歓呼して迎える民衆の中を次々と凱旋軍が入場し、華やかなバレエが繰り広げられる。凱旋将軍ラダメスは王より褒美は何をと問われ、捕虜の釈放と答える。そこへ捕虜たちが入ってくると、アイーダは一兵士の姿をした父アモナスロを見つけ驚く。アモナスロとアイーダは王に慈悲を請うが、僧侶がそれに反対するので王は、アモナスロだけを人質にあとは解放し、さらにラダメスにアムネリスを与え将来は国を継ぐようにと命ずる。万人の歓呼で幕となる。

第3幕 ナイル河畔、イシスの神殿の前
月がナイルの河に映える。アムネリスは祭司長に伴われて神殿に婚礼の祈りを捧げに入って行く。アイーダが現われ、ラダメスを待つ間故郷を想い、アリア<ああ、我が故郷 Oh, patria mia>を歌う。そこに父アモナスロが現われ、ラダメスから軍事上の秘密を聞き出すよう命ぜられる。アイーダは恋人を裏切れないと言うが、祖国のためにと強いられる。ラダメスが現われるのでアモナスロは木陰に隠れる。アイーダは婚礼を控えた男が何をしに来たのかと冷たくあしらうと、ラダメスは愛するのはアイーダ一人と強く言う。アィーダはそれでは二人で逃げてと言い、エジプト軍のいる道は避けなければならないがそれは何処かと問われ、彼はつい「ナパタの谷」と答えてしまう。アイーダの誘導尋問にかかり彼がエジプト軍のいる場所を言った途端に、アモナスロが陰から飛び出し、ラダメスは知らずに祖国の秘密を洩らしてしまった事を後悔するが、ついに二人の強い誘いにのり、三人で逃げようとする。その時アムネリスが神殿からそれを見咎め、衛兵たちが走って来る。ラダメスはアイーダとアモナスロを逃し、自らは祭司長に剣を捧げて捕えられる。

第4幕
〔第1場〕王宮の一室
アムネリスは愛するラダメスの裏切りを深く悩み、彼を呼び出して、アイーダを捨て自分を愛するなら死罪から救おうと言う。ラダメスは固く死を決意して彼女の申し出を断わり、法に従うと宗教裁判室に入る。何を訊かれても沈黙しているラダメスは、ついに裏切者として死罪を申し渡される。アムネリスはこの模様を聞いて激しく嘆き、取り乱して祭司たちを呪う。

〔第2場〕火の神の神殿と地下牢
地下牢に生き埋めにされたラダメスは一人死ぬ事を覚悟し、アイーダは何処に行ったのだろうと思いを馳せる。その時牢の奥からアイーダが現われる。彼女は追手を逃れ先回りしてこの牢に来ていたのだ。二人は天国で結ばれる事を喜び静かに息絶えていく。地上ではアムネリスが祭壇に脆き永遠の幸を祈る。
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<アイーダの見どころ・聴きどころ>
●第1幕
★清きアイーダ
戦いに勝利しアイーダと結ばれたいラダメスが、彼女の美しさを湛え、その思いを高らかに歌い上げるテノールの名アリア。幕が上がってすぐの登場で、力強さの中にも柔らかさが要求されるテノール屈指の名曲のひとつ。
★勝ちて帰れ
アイーダによって歌われる「清きアイーダ」と対になるようなアリア。ドラマチック・ソプラノの代表的なアリアのひとつで、出陣する恋人と、父と祖国への異なる愛に揺れ動く苦悩が歌われる。

●第2幕
★凱旋行進曲
 歌ではないが2幕2場の「凱旋の場」もこのオペラ最大のみどころもひとつ。トランペットによる輝かしいファンファーレが鳴り響く行進曲、異国情緒溢れるバレエ音楽、ラダメスを迎える群集の大合唱と続く一大スペクタルは観るものを圧倒する。

●第3幕
★ああ、我が故郷  (かぐわしい森に再び帰ろう Rivedrai le foreste mbalsanate)
 愛するラダメスとの恋の行く末への不安と、懐かしい故郷に二度と帰れないのでは、嘆き悲しむアイーダ。幼き日々を過ごした故郷の青い空、そよ風、緑の丘・・・・と歌う名アリアは、まさにアイーダ歌いとしての真価が問われる難曲。

●第4幕
★大地よ、さようなら
 地下牢で天国で結ばれることを願うアイーダとラダメス。上の神殿でのアムネリスと祭司たちの祈りのなか、静かに幕が閉じられる感動のフィナーレ。
 

opera110

 投稿者:constanze  投稿日:2017年 8月17日(木)10時22分22秒
返信・引用
  NUM : 115
投稿日時: 2017年 8月 9日(水)22時05分34秒
投稿者 : constanze
メール :
タイトル: opera110
内容  :
Mozart
モーツァルト(1756~1791)後宮からの誘拐
Die Entführung aus dem Serail

台本:クリストフ・フリードリヒ・プレッツナーのジングシュピール用台本『ペルモンテ    とコンスタンツェまたは後宮よりの誘拐』をゴットリープ・シュテファニーが自由に改作。
作曲:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1781-1782年)
初演:1782年7月16日、プルク劇場(ウィーン)
演奏時間:序曲 4分、第一幕 35分、第二幕 64分、第三幕 35分
時・所:18世紀、トルコ

登場人物
セリム・パシャ(トルコの太守)・・・・・・・トビアス・モレッティ(台詞)
コンスタンツェ(スペイン貴族の娘)・・・・・デジレー・ランカトーレ(ソプラノ)
ブロンデ(コンスタンツェの女中)・・・・・・レベッカ・ネルセン(ソプラノ)
ベルモンテ(コンスタンツェの恋人)・・・・・ハビエル・カマレナ(テノール)
ペドリロ(ベルモンテの従僕)・・・・・・・・トーマス・エーベンシュタイン(テノール)
オスミン(太守の後宮の番人)・・・・・・・・クルト・リドゥル(バス)
ザルツブルグ・バッハ合唱団
カメラータ・ザルツブルグ管弦楽団
指揮:ハンス・グラフ
演出:アドリアン・マルターラー
2013年8月26日 ザルツブルグ空港格納庫(オーストリア)


作品解説
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756~1791)がウィーンにおける名声を決定的にした名作である。
1780年の夏、モーツァルトはミュンヘンで上演するオペラの作曲を依頼された。クレタの王イドメネオの物語に基づいたオペラである。イドメネオは船を難破から救ってくれるなら、上陸して最初に会った者を生賛として捧げると海神ネプチューンに約束する。ところがその生賛になる人間が息子のイダマンテになってしまうという話で、モーツァルトはザルツブルクで作曲を開始した。その年の11月、彼は雇い主であったザルッブルクの
大司教に休暇を願い出て、ミュンヘンに向かう。この《クレタの王イドメネオ》は翌81年1月に初演され、かなりの成功を収めた。モーツァルトは3月の初めまでミュンヘンに滞在していたが、突如ウィーンヘ来るように命令を受ける。
ザルツブルクの大司教が許可した休暇期限はとうに切れており、ウィーンのヨゼフ2世の皇帝即位を祝うためにウィーンを訪れていた大司教から呼び出しを食ったのである。大司教との確執はここで決定的となり、ついにモーツァルトは解任される。しかし《イドメネオ》の成功により自信を深めていた彼は、ウィーンに活動の拠点を移すには絶好のチャンスと喜んだに違いない。
この年の7月末に《後宮からの逃走》の台本を受け取り、作曲を開始した。途中、台本改訂をはじめ、いくつかの問題が浮上したが、ヨゼフ2世がドイツ・オペラの振興に積極的だったことも手伝って、82年7月16日、ウィーンのブルク劇場で初演され、大成功を収めた。この初演については皇帝ヨゼフ2世が「音が多過ぎる」と述べたのに対してモーツァルトは「音は正確に必要なだけでございます。陛下」と答えたというエピソードが伝えられているが、映画≪アマデウス≫の中でもこのシーンが描かれていた。華麗なるコロラトゥーラの高音から、超低音のバスの魅カまであらゆる声の技法を駆使して作られている楽しい名作。オスミンを初め二組の恋人たちの性格づけも相当良く出来ている。ジングシュピールとして《魔笛》に先立つ重要な作品。

第一幕

海に面した太守セリムの宮殿の庭
恋人コンスタンツェが航海中海賊に襲われ、従僕のペドリロ、女中のブロンデと共にトルコの太守の宮殿に売られた事を伝え聞いたベルモンテは、恋人救出のためこの館にやって来る。そこに後宮の番人オスミンが庭の手入れに来るので、様子を探ろうとするが追い返されてしまう。入れ替わりにペドリロが現われるので、彼が気に食わぬオスミンは喧嘩腰に歌い出す、アリア[乙女の尻追う風来坊 Solche hergelaufne Laffen] お前が太守に気に入られてなけりゃ、とっくの昔に首を吊してやるのにと怒ってオスミンは退場する。そこに再びベルモンテが現われ、ペドリロは驚き、コンスタンツェ様は太守のお気に入りで毎日口説かれているが、固く貞操を守っていると報告する。ベルモンテは喜び、[コンスタンツェ、君に再び会える Constanze, dich wiederzusehen, dich !]と美しいアリアを歌う。太守が現われる物音に二人は隠れる。コンスタンツェを従え現われた太守は彼女に、これまで手荒なこともせず自然に愛してくれるまで待って来たが、何故そうかたくななのだと問う。彼女は華麗なるアリア[私は愛してましたAch,ich liebte]の中で恋人がいることを告白する。寛大な太守も期限は明日までだと言い、彼女を退らせる。そこにペドリロがベルモンテをイタリアの建築技師と紹介し、太守に召し抱えて下さいと願い出る。太守は彼を雇う事にし立ち去る。ペドリロとベルモンテが宮殿に入ろうとするとオスミンが現われ、ベルモンテを入れまいとして愉快な三重唱となるが、太守のお墨付きのある彼はオスミンをつきとばして、宮殿に入っていく。

第二幕

宮殿の庭、傍にオスミンの住居
オスミンの女奴隷にされてしまったブロンデは言い寄るオスミンに、トルコの女奴隷なら別でしょうが、ヨーロッパの娘には威しでは駄目よと、アリア[乙女心をとらえるには Durch Zärtlichkeit und Schmeicheln]を歌う。女に優しくなんて出来るかとオスミンは、力ずくでもとせまるが、彼女は、私の御主人様は太守の恋人で、もし私が一言いえば
あんたなんかすぐ鞭で打たれるわよと脅し、いまいましがるオスミンと二重唱になり、ついにオスミンを追い出す。コンスタンツェが現われ静かに歌い出す、アリア[あなたと離れて、悲しみは私の運命に Traurigkeit wart mir zur Lose]そこに太守が現われ、今日の期限もまもなく終わると迫り、もし言うことをきかぬならあらゆる責苦があるのだがと
脅して彼女の心変りを求めるが、コンスタンツェはアリア[どんな責苦があろうともMatern aller Arten mögen meiner warten] を歌い彼女の心が変わらぬことを告げ、太守と共に退場する。そこにペドリロが現われブロンデに、ベルモンテ様が救けに来て下さったから、オスミンに眠り薬入りの酒を飲ませ、夜中にコンスタンツェの部屋の窓に梯子をかけてこの宮殿を抜げ出し、ベルモンテの用意した船で逃げ出そうと脱走計画を話す。ブロンデは[なんという喜び Welche Wonne, welche Lust]とアリアを歌い、コンスタンツェにこのことを告げに行く。そこに現われたオスミンにペドリロは酒をすすめる。マホメット教徒である彼は酒を飲んではならぬのだが、ついに誘惑に負けて飲み出しベロベロに酔って、バツカスを讃えて歌い出す、二重唱[バツカス万歳 Viva Baccus]ペドリロはオスミンを眠らせてからベルモンテを連れてくる。恋人に会えることを喜ぶベルモンテのアリア[喜びの涙が Wenn der freude Tränen fliessen] ブロンデがコンスタンツェを連れてくる。喜びの再会の四重唱。ところが男二人は恋人たちの貞操を疑う。疑われてコンスタンツェは泣き出し、ブロンデはペドリロに平手打ちをくらわす。二人の態度に男たちは疑いを晴らし、疑ったことを詫びて、四人は仲直りをする。

第三幕

第一場 太守の宮殴の前の広場
真夜中逃亡の準備を整えてやってきたベルモンテはペドリロに合図の歌を歌わせる、ロマンツァ[ムーア人の国に捕われたIn Mohrenland gefangen war] 窓辺に現われたコンスタンッェは梯子を降り、ペドリロはブロンデを救いにはしごを昇っていく。ところがこれを見つけた唖の黒人の召使の知らせで、全員一網打尽、オスミンは奴らの首も飛ぷのだと喜ぶ。
第二場 太守の部屋
オスミンが四人をしょっぴいて来る。ベルモンテは、私は本当はオランの司令官ロスタドスの息子、多額の身代金を払いますからお許しをと願うが、逆効果。仇敵ロスタドスの息子とあっては絶対絶命。太守は四人の処置をいかにするかオスミンを連れ別室に考えに行く。ベルモンテとコンスタンツェは心静かに死ぬ覚悟をする。ペドリロとブロンデはやけっばち。そこに再び現われた太守は復讐ほど醜いものはないと四人を罰せず、祖国に船で帰ることを許す。オスミンだけは不満で大いに憤慨するが、皆は太守の徳を讃え幕となる。
________________________________________
この映像について  松沢憲(音楽評論)

この映像は2002年5月、イタリアはフイレンツェ、ペルゴラ劇場におけるライヴ記録である。ドイツの演出家、アイケ・グラムスの新演出による上演で、ズービン・メータ指揮のマッジョ・ムジカ・フィオレンティーノによる演奏。このオーケストラは1935年、ブルーノ・ワルターの指揮で《後宮からの逃走》のイタリア初演をした団体である。
序曲が始まってすぐに私たちは舞台に目を奪われる。色とりどりの巨大な間仕切が現れて舞台を区切る。これらたくさんの間仕切が、ある時は城壁になり、またある時は門になり、そして扉になったり窓になったりするのだ。そしてそういう具体的な役割を果たすことによって、セリムの邸とその周辺で展開する、そもそも変化の少ない《後宮からの逃走》の舞台に、視覚的な幅を生み出しているし、これらが上下左右に動かされることによって場面転換が巧みに行われ、歌手たちの動きをよりダイナミックに感じさせるという効果も指摘していいだろう。第1幕でコンスタンツェがアリアを歌って舞台の奥に引っ込み、太守1人が取り残されるが、その時、コンスタンツェの動きに合わせて間仕切が動き、瞬時に場面が変わる。太守に動きはないのに、あたかも瞬間移動したかのようなダイナミックさだ。そしてこういう間仕切の動きは空間的な深さを錯覚させることにも寄与している。第1幕、第5曲の合唱で、太守とコンスタンツェが登場する場面や、ベルモンテとペドリロがオスミンの制止を振り切って邸内に入ってゆくシーンはその好例と言えよう。結局はこの間仕切が大きなセットの必要性をなくし、舞台がシンプルに、そして観る側の想像力を掻き立てることにもつながっている。加えてこの間仕切の美しさはどうだろう。西洋的な雰囲気でもあり、東洋的な匂いもするデザインになっているし、多彩な照明の変化によって見せる色彩的な美しさは特筆していいと思う。 歌手陣も総じてすばらしい。何と言っても主役のコンスタンッェを歌うエヴァ・メイがその美貌もさることながら、美しく張りのある声とドラマティックな表現で存在感はピカイチだ。コンスタンツェはメイのデビュー時の役柄であって、彼女の十八番なのである。コロラトゥーラの役柄の中でも難曲を抱えたコンスタンツェだが、メイの高音は軽くよく転がる。さらに彼女の声はリリックではあってもたいへんパワフルなのだ。コロラトゥーラでありながら芯の強いパワフルな声は、固く操を守るという強い意志を表明するコンスタンツェに最適と言っていいのではないだろうか。
実際、第1幕のアリア〈私には恋人がいた〉や第2幕のアリア〈どんな責苦があろうと〉におけるメイの毅然とした力強さは、私たち聴き手の胸を打たずにはいない。特に後者のアリアは猛烈に感動的だ。歌にも演技にも決然とした勇気がみなぎり圧倒的な情熱がほとばしっており、その美しさは聴いていて声をあげて泣きたくなるほどで、きわめて格調高く、神々しくさえある。この直前のアリア<あなたから引き離され〉でもその表情的な歌が美しい上に、やはり強靭な意志を思わせる一途さがたいへんすばらしい。この連続する2つのアリアこそ、全曲中最大の聴きどころ、見どころであろう。
ベルモンテを歌うライナー・トロストはメイ=コンスタンツェの強い愛を受け止めるにはいささか弱々しい気もするが、その美声はやはり魅力的で、表情の作り方もたいへん素直だ。<喜びの涙が流れる時〉や終幕のコンスタンッェとの二重唱<何という運命〉では情熱的な歌を聴かせている。
ペドリロを歌うメフルザード・モンタゼリ、ブロンデを歌うパトリッィア・チョーフィ、オスミンを歌うクルト・リドゥルら脇役陣も、歌、演技ともに巧い。リドゥルはさすがに貫禄だが、若いモンタゼリとチョーフィも、その存在感は小さくない。
チョーフィはチャーミングな演技が印象的だし、ソロの歌はアリアとロマンスの2曲だけのペドリロを、モンタゼリは瑞々しい張りのある声で披露している。
 

109

 投稿者:favorita  投稿日:2017年 8月17日(木)10時18分13秒
返信・引用
  2017年8月26日(土)  午後1時30分~
Donizzeti
ドニゼッティ(1797~1848)  ファヴォリーテ
Favorite

[原作]:バキュラール・ダルノーの戯曲「コマンジュ伯爵」
[台本]:仏語/ロワイエ/Alphonse Royer/ヴェース/Gustave Vaez
    伊語:ヤンネッティ/F.Jannetti
[初演]:1840年12月2日パリ・オペラ座
[時所]:1340年スペイン北部の聖地サン・ジャコモ・デ・コンポステルラ
[上演時間]:2時間22分(第一幕40分、第二幕28分、第三幕35分、第四幕39分)

[登場人物と出演者]

レオノーラ(Leonora di Gusmanアルフォンソ11世の愛人)・・・エリーナ・ガランチャ(Ms)
フェルナンド(Fernando修道士)・・・・・・・・・・・・・・マシュー・ポレンザーニ(T)
アルフォンソ11世(Alfonso XIカスティーリャ国王)・・・マリューシュ・クヴィエチェン(Br)
バルダッサーレ(Baldassarreサンティアゴ・デ・コンポステーラ修道院長)・ミカ・カレス(B)
ドン・ガスパーロ(Don Gasparo廷臣)・・・・・・・ジョシュア・オーウェン・ミルズ(T)
イネス(Inesレオノーラの侍女)・・・・・・・・・・・・・・・・・・エルザ・ブノワ(S)
バイエルン国立歌劇場管弦楽団・バイエルン国立歌劇場合唱団
指 揮:カレル・マーク・チチョン
演 出:アメリ・ニーアマイア
2016年11月3日、6日 バイエルン国立歌劇場(ドイツ・ミュンヘン)

[概説]
ファヴォリータとは「お気に入り」「愛人」「側室」を意味する。現在はほとんど伊語で上演される。 この年ドニゼッティはパリで3つのオペラ(連隊の娘、マティルス、ファヴォリータ)を初演している。


あらすじ

[第一幕]
第1場 修道士フェルナンドは祈りを捧げに来た美女に恋をした。しかし彼女は国王アルフォンソの秘密の愛人レオノーラだった。そうとはしらないフェルナンドは父で修道院長のバルダッサーレにその恋を告白する。激しいやりとりの後、ついにバルダッサーレはフェルナンドの僧籍離脱を認め、修道院から追放する。

第2場 レオーネ島の岸辺
恋した乙女が国王アルフォンソの愛人レオノーラだということを知らないフェルナンドは、彼女の館のある島に目隠しをされて渡ってきた。だがレオノーラは自らの名前を名乗ることも出来ない。フェルナンドは彼女に結婚を迫るが、レオノーラは「愛すればこそ別れて欲しい」と言って彼に手紙を渡す。フェルナンドは武勲を立てて彼女の愛を得る決心をする。

[第二幕]
セヴィリアのアルカザール宮殿
フェルナンドはイスラム教徒を討伐して武勲を立て、国王の信頼も得た。一方国王アルフォンソは宮廷の反対を押し切りレオノーラと結婚しようとするが、レオノーラは国王に暇を請う。華やかな戦勝の祝宴が開かれる。そこに式部官のドン・ガスパールが現れ、レオノーラに宛てた手紙を侍女から奪い国王に示す。国王は差出人を問いつめるが、レオノーラはその名前を明かさない。そこに修道院長のバルダッサーレが現れ、王妃である自分の娘をないがしろにして、愛人に入れ込む国王をなじり大混乱となる。

[第三幕]
宮廷の大広間
フェルナンドが凱旋する。国王アルフォンソに武勲の褒美を問われるが、いまだレオノーラが国王の愛人であることを知らないフェルナンドは、そこにいるレオノーラを所望する。耳を疑うレオノーラ。国王は動揺するが、レオノーラの心が離れてしまったことを悟り、その復讐心から、一時間後に結婚式を挙げるように命じて退場する。レオノーラの胸は愛する人と結ばれる喜びと、国王の愛人だった過去が知られることへの不安が交錯する。レオノーラは式の前にフェルナンドにこの事実を伝えるべきだと考え、侍女イネスに頼むが、そのイネスは捕らえられてしまう。何も知らないフェルナンドと不安におののくレオノーラとの結婚式が執り行われる。そこにフェルナンドの父修道院長のバルダッサーレが現れ、レオノーラが国王の愛人だったことを告げる。その事実を知らなかったのはフェルナンドだけであり、屈辱に震えるフェルナンドは国王から授かった勲章を床に叩き付ける。

[第四幕]
聖ジャコモ修道院
フェルナンドは絶望して修道院に戻っていた。修道院では亡くなった王妃の死を悼む祈りが捧げられている。そこに瀕死の尼僧が現れ倒れる。助け起こしたフルナンドは、その尼僧がレオノーラと知っておののく。レオノーラは最後の力を振り絞り、騙すつもりはなかったと許しを請う。心を打たれたフェルナンドは今度こそ愛の生活を…と言うが、時既に遅く、安らぎを得たレオノーラはフェルナンドの腕の中で息絶える。フェルナンドの悲しみの絶叫が響き渡る。
 

opera109

 投稿者:badenbaden  投稿日:2017年 7月19日(水)13時53分22秒
返信・引用
  オペラを楽しむ会月例会(第109回)
2017年7月22日(土)  午後1時30分~
バーデン・バーデン ガラ・コンサート2016


プログラム
1.歌劇「タンホイザー」から <おごそかなこの広間よ> (ワーグナー作曲)
アニヤ・ハルテロス(ソプラノ)

2.歌劇「ファウスト」から  ワルツ (グノー作曲)

3.歌劇「ファウスト」から <金の子牛は常に生きて> (グノー作曲)
ブリン・ターフェル(バス・バリトン)

4.歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」から 間奏曲  (マスカンニ作曲)

5.歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」から <ママも知るとおり> (マスカンニ作曲)
アニヤ・ハルテロス(メゾ・ソプラノ)

6.歌劇「トスカ」から <星はきらめき>  (プッチーニ作曲)
エカテリーナ・グバノヴァ(メゾ・ソプラノ)
ヨナス・カウフマン(テノール)

7.歌劇「メフィストーフェレ」から <私はあまのじゃく>」 (ボーイト作曲)
ブリン・ターフェル(バス・バリトン)

8.歌劇「仮面舞踏会」から <私の最後の願い>  (ヴェルディ作曲)
アニヤ・ハルテロス(ソプラノ)

9.歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」第2幕から  (チレア作曲)
エカテリーナ・グバノヴァ(メゾ・ソプラノ)  ヨナス・カウフマン

10.歌劇「マノン・レスコー」から間奏曲  (プッチーニ作曲)
11.歌劇「トスカ」第2幕から  (プッチーニ作曲)
アニヤ・ハルテロス(ソプラノ) ブリン・ターフェル(バス・バリトン)

12.歌劇「アイーダ」から バレエ音楽 (ヴェルディ作曲)

13.歌劇「オテロ」から <すでに夜もふけた>  (ヴェルディ作曲)
アニヤ・ハルテロス(ソプラノ) ヨナス・カウフマン(テノール)

アンコール
1.歌劇「カルメン」からハバネラ <恋は野の鳥> (ビゼー作曲)
エカテリーナ・グバノヴァ(メゾ・ソプラノ)

2.歌劇「わが友フリッツ」から <わずかな花>  (マスカーニ作曲)
アニヤ・ハルテロス(バス・バリトン)

3.ミュージカル「屋根の上のバイオリン弾き」から <もし金持ちだったなら>(ボック作曲)
ブリン・ターフェル(バス・バリトン)

4.映画「ゴッドファーザー」 愛のテーマ  (ニーノ・ロータ作曲)
ヨナス・カウフマン(テノール)

5.喜歌劇「ほほえみの国」から <きみはわが心のすべて> (レハール作曲):
         アニヤ・ハルテロス(ソプラノ)  エカテリーナ・グバノヴァ(メゾ・ソプラノ)
ヨナス・カウフマン(テノール)  ブリン・ターフェル


アニヤ・ハルテロス(Anja Harteros)(ソプラノ)
エカテリーナ・グバノヴァ(Ekaterina Gubanova )(メゾ・ソプラノ)
ヨナス・カウフマン(Jonas Kaufmann)(テノール)
ブリン・ターフェル(Bryn Terfel)(バス・バリトン)
管弦楽:バーデン国立管弦楽団
指揮:マルコ・アルミリアート
2016年7月22、24日バーデン・バーデン祝祭劇場


出演者
ソプラノ アニヤ ハルテロス(Anja Harteros)
ギリシャ人の父とドイツ人の母のもと1972年、西ドイツ ベルクノイシュタットに生まれる。1999年カーディフ声楽コンクールに優勝後、ミュンヘンでデビュー。伯爵夫人、ドンナ・アンナ、アラベラ、ヴオレッタなどで圧倒的人気を得る。他のレパートリーに元帥夫人、エルザ、エリーザベトなど。2010年のスカラ座「シモン・ボッカネグラ」でも絶賛された。
テノール ヨナス・カウフマン(Jonas Kaufmann)
Jonas Kaufmannは、ドイツ出身のテノール歌手である。テノールには珍しい暗く重い声質と、端正な容姿で国際的に人気が高い。1969年ミュンヘンに生まれ、ミュンヘン音楽・演劇大学で声楽を学ぶ。在学中から地元の歌劇場でオペラの舞台に立ち、小さな役での下積み時代が長かった。2001年にチューリッヒ歌劇場の専属歌手となり、数多くのオペラに出演する。ソプラノ歌手アンジェラ・ゲオルギューが、2004年ロイヤルオペラハウスの『つばめ』(プッチーニ)、2006年メトロポリタン歌劇場の『椿姫』(ヴェルディ)などの相手役として、当時まだ無名だったカウフマンを指名したことで注目を集め、その後の国際的活躍のきっかけとなる。若い頃はリリックな声であったが、声帯の故障で発声法を再構築したことにより、現在の暗く重い声となった。「バリトンのような声」と評されることが多いが、高音は輝かしく、力強さと繊細さを兼ね備えていることが特徴である。レパートリーは幅広く、母国ドイツのワーグナーなどのみならず、イタリアオペラ、フランスオペラ、歌曲など多くの作品を歌い、世界中の大歌劇場やバイロイト音楽祭などで活躍を続けている。しかしキャンセルが非常に多いことで有名で、特に日本においては6回の来日公演をキャンセル、またニューヨークのメトロポリタン歌劇場においても2015年から3年連続で全公演をキャンセルしており、生で聴くことが難しい歌手となっている。


バス・バリトン ブリン・ターフェル(Bryn Terfel)

イギリスのバス・バリトン歌手。本名はブリン・ターフェル・ジョーンズ(Bryn Terfel Jones)。北ウェールズのパントグラスの農家に生まれ、ロンドンのギルドホール音楽演劇学校を卒業。1989年にBBCカーディフ国際声楽コンクールで入賞(優勝はディミトリー・ホロストフスキー)し、1990年にウェールズ・ナショナル・オペラにおいて「コジ・ファン・トゥッテ」のグリエルモ役でデビュー。1991年にイングリッシュ・ナショナル・オペラ(「フィガロの結婚」のタイトルロール)、1992年にはロイヤル・オペラ・ハウス(「ドン・ジョヴァンニ」のマゼット役)、ザルツブルク音楽祭(「サロメ」のヨハネ役)でそれぞれデビューし、ドイツ・グラモフォンと契約する。さらに1993年にはパリのシャトレ座、1994年にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場に進出、そのレパートリーもジェームズ・レヴァインの指揮でマーラーの交響曲第8番を歌い(アメリカ、イリノイ州のラヴィニア・フェスティバル)、ワーグナー、ストラヴィンスキーなど、より重いものに拡がった。一方でポピュラー音楽など他分野にも意欲的であり、バリー・ワーズワース指揮ロンドン交響楽団と協演したアルバム「シンプル・ギフト」で2007年の第49回グラミー賞を獲得している。2000年からウェールズでファイノル・フェスティヴァル(Faenol Festival)を自ら主催している。


バーデン・バーデン祝祭劇場(Festspielhaus Baden-Baden)


バーデン・バーデンはドイツ南西部に位置し、フランスやスイスと近接する地域。温泉を擁する保養地として知られている。フェストシュピールハウスバーデンバーデンは、2,500席の客席で、ドイツ最大のオペラ・バレエやコンサートを開催している劇場ハウスでバーデンバーデン鉄道駅と一体化しています。


 

opera109

 投稿者:agrippina  投稿日:2017年 5月28日(日)15時41分25秒
返信・引用
  Handel
ヘンデル(1685~1759)アグリッピーナ
Agrippinaie

[作曲]:ゲオルク・フリードリッヒ・ヘンデルGeorg Friedrich Handel(独1685-1759・英に帰化)
[台本]:ヴィンチェンツォ・グリマーニVincenzo Grimani(伊語)
[初演]:1709年12月26日サン・ジョヴァンニ・グリゾストモ劇場(ヴェネツィア)Teatro San Giovanni Grisostomo
[演奏時間]:約2時間50分(第1幕75分、第2幕60分、第3幕35分)

概説
ヘンデルがイタリアに滞在していた時期(21才~25才)に作られた2作のオペラのうちの1作で、ヴェネツィアでの初演は大成功だった。劇中の音楽はどれも秀逸で、彼のイタリア時代に培ったものの大きさを感じさせる。その頃作ったオラトリオ「復活」などの声楽曲の中から気に入った曲の転用もしている。登場人物には歴史上実在する人物の名を使っているが、話の内容自体は架空のものなので、史実の人物像とは違っている。同じ登場人物を題材にしたオペラに、モンテヴェルディの「ポッペアの戴冠」がある。

[登場人物と出演者]
クラウディオ(ローマ皇帝)・・・・・・・・・・・・・・ミカ・カレス(B)
アグリッピナ(皇后・クラウディオの後妻)・・・・・・・パトリシア・バードン(S)
ネローネ(アグリッピナの息子・皇帝の養子)・・・・・・ジェイク・アルディッティ(A)
ポッペア(皇帝から寵愛を受けるローマの貴婦人)・・・・ダニエル・ドゥ・ニース(S)
オットーネ(ローマの将軍・ポッペアの恋人)・・・・・・フィリッポ・ミネッチャ(A)
パッランテ(廷臣)・・・・・・・・・・・・・・・・・・ダミアン・パス (B)
ナルチーゾ(廷臣)・・・・・・・・・・・・・・・・・・トム・ヴァーニー(B)
レスボ(皇帝の侍従)・・・・・・・・・・・・・・・・・クリストフ・ザイドル(B)
管弦楽:バルタザール・ノイマン・アンサンブル
指揮:トーマス・ヘンゲルブロック
演出:ロバート・カーセン
2016年3月22,29日アン・デア・ウィーン劇場(オーストリア)

『アグリッピナ』(Agrippina)は、1709年から1710年のヴェネツィア・カルネヴァル・シーズン用に作曲され、ネロの母アグリッピナがローマ皇帝クラウディウスを没落させ、息子を皇帝に即位させる話をあつかう。
グリマーニの台本はヘンデル作品では最高傑作とされ、反英雄的な風刺喜劇であり、時事的・政治的当てつけにあふれており、グリマーニのライバルの教皇クレメンス11世を風刺したとする者もいる。
ヘンデルはイタリアへの3年間の訪問の終わりに同作を作曲した。ヴェネツィアのサン・ジョヴァンニ・グリソストモ劇場で1709年12月26日に初演され、すぐに成功を収めた。オープニングの夜から27回連続公演と当時前例のない成功で、多くの批評家の称賛を受けた。
音楽の多くは当時の慣習に沿い、他の作品からのアレンジ、他の作曲家の作品からのパクリをふくんでいたが、編曲の質のために賞賛された。だれもが熱狂的に次作を求めたが、ヘンデルがさらに舞台に上がることはなかった。
初演以降も本作はたまに再演されていたが、ヘンデルのオペラが18世紀半ばに流行の枠外に落ちると、作品は民衆に忘れられた。20世紀にヘンデルのオペラはドイツで復活し、『アグリッピナ』は英国とアメリカで初演された。本作は近年は革新的な演出で上演され、2007年にはニューヨーク・シティー・オペラとロンドン・コロシアムで上演され、普及した。
現代の批評家の合意は、「『アグリッピナ』は新鮮さと音楽的発明を持ち、ヘンデルのオペラの最初の傑作であり、ヘンデルのリバイバルの中で最も人気のあるオペラの一つ」というものである。

現代リバイバル

2002年に超現代的ステージングでリリアン・グローグがニューヨーク・オペラにおいて上演した。この演出は2007年に改訂され、『ニューヨーク・タイムズ』紙は「変だ。『この私、クラウディウス』の『プロデューサーズ』バージョンみたいなサタイアだ」とし、歌唱・演奏については褒めた。
イギリスでは、イングリッシュ・ナショナル・オペラ(ENO)が2007年2月に英語版をデイヴィッド・マクヴィカー演出で上演し、好評だった。これらの最近の上演は、1997年のガーディナーの録音のように、初演時のカストラートの代わりにカウンター・テナーを使用している。


あらすじ
時と所:50年頃・ローマ帝国
[第一幕]
(第一場)アグリッピナの部屋
クラウディオが溺死したという報せに触れたアグリッピナは、ネローネにいよいよ皇帝の位につくべき時期が熟したので、ただちに人々の支持を集めるようにと勧める。ネローネは「お母様の助言で、ついに玉座に就くことが出来る。」と歌い、喜びを隠さない。アグリッピナは、自分に色目を使うパランテとナルチーソを利用しようと企む。彼女はまずパランテを呼び、彼への愛に心乱れている振りを装いつつ、市民がネローネの即位を要求するよう扇動してくれたら、パランテを夫にしようともちかける。パランテは勿論喜んで承知する。アグリッピナはナルチーソにも同じ手段で協力を約束させ、策略がうまくいきそうなのを喜び「ふぬけの心で王権を求めるには、恐ろしい嵐も恐れはしない。」と歌う。

(第二場)カンピドーリオの広場
ネローネは貧しい民衆に金を与え、パランテとナルチーソはネローネをほめたたえる。アグリッピナが登場、民衆にクラウディオの死を伝え、アグリッピナ、パランテ、ナルチーソはネローネを後継者に推し、ネローネはそれを受諾して玉座につく。その時、クラウディオの従僕レスボが登場、皇帝クラウディオはオットーネに助けられて、無事アンツィオに上陸したという報せを伝える。ネローネは慌てて玉座を降りる。オットーネが登場。クラウディオを助けた報償として、皇帝が彼に帝位を譲ると約束したことを誇るが、アグリッピナに向かって、自分は帝位よりもポッペアを愛していると打ち明ける。クラウディオがポッペアに心を寄せているのに気付いていたアグリッピナは、これを自分の目的達成のために利用しようと、「そなたは月桂冠に値する者」と歌い、オットーネを助ける約束をして彼を信用させる。

(第三場)ポッペアの部屋
ポッペアが身支度をしているところへ、レスボが登場、今晩クラウディオが訪ねてくると伝える。ポッペアは「恋の炎は心を焼き尽くす。でもどうやってかはわからない。」と歌い、オットーネが来るのならもっと嬉しいのにと残念がる。その様子をものかげで立ち聞きしていたアグリッピナは、ポッペアに向かって、オットーネは皇帝位継承とひきかえにポッペアをクラウディオに譲ったのだとウソをつき、復讐したければクラウディオになびくとみせて、オットーネを嫉妬させるようにと入れ知恵し、クラウディオのしつこい求愛から彼女を守ってやると約束する。ポッペアはたやすくアグリッピナの罠にはまり、「望むようになさい。あなたの軽蔑など受けません。」とオットーネへの復讐を誓う。そこへクラウディオがやって来るが、ポッペアはアグリッピナの計略に従って、彼を冷たくあしらう。クラウディオがポッペアを抱こうとした時、レスボがアグリッピナが来ると告げ、クラウディオは慌てて姿を消す。全てを立ち聞きしたアグリッピナが現れ、ポッペアと計画の成功を喜ぶ。

(第四場)カンピドーリオの丘
パランテとナルチーソは自分たちがアグリッピナに騙されていることを知り、互いに協力しようと意見が一致する。そこへオットーネが登場、つづいてアグリッピナ、ポッペア、ネローネが現れる。続いてクラウディオが凱旋車にのって登場。「ドイツを破り、ラテンの帝国に余は新たな領土をもたらした。」と歌い、自らの戦果を誇らしげに自慢するが、演説の長さに皆ウンザリする。アグリッピナはことさら献身的な愛を示してクラウディオを迎え、一同は彼の前に頭を下げる。クラウディオは大いに満足げな様子だが、オットーネが約束どおり譲位を求めると、彼を謀反人と非難する。クラウディオの心変わりに驚いたオットーネは、アグリッピナに救いを求めるが、アグリッピナからも不実者と罵られてしまう。ポッペア、ネローネもオットーネを嘲り退場する。オットーネは、「何とひどい雷が落ちたものだ。これよりひどい悲しみがこの世にあろうか。」と嘆き、このいわれのない非難に、クラウディオや他の人々を恨む。

[第二幕]
(第一場)庭園
ひとりたたずむポッペアは「心が悪意に苦しむなら、胸の中で愛は憎しみに変わる。」と歌い、オットーネが無実潔白であることを願っている。オットーネがやって来るのを見て、彼女は彼の様子を探ろうと、噴水のかたわらにすわって眠ったふりをし、“オットーネの裏切り者”とつぶやく。オットーネはポッペアのもとに駆け寄り、自分の潔白を信じないなら刺し殺してほしいと、ポッペアの手に剣を握らせる。ポッペアはアグリッピナが嘘をついた動機を理解し、「一度ならともかく、ポッペアは二度と欺けないわ。」と歌い復讐を決意する。ものかげで様子を窺っていたレスボが登場。クラウディオがポッペアを訪れる約束をして去ると、入れ替わりにネローネが現れる。ポッペアは考えるところがあって、ネローネにも彼女を訪ねてくるよう誘う。一方、アグリッピナは、パランテとナルチーソを信用しすぎたのではないか、オットーネやポッペアは油断がならないと、さまざまに思い悩み、そして「天よ。この企てに力を貸したまえ。私の息子が統治するよう。」と歌い、新たな策略をめぐらす。クラウディオが現れると、アグリッピナは愛情を装ってクラウディオの身の安全を心配し、オットーネの願いを退けて、ただちにネローネを皇帝位継承者と宣旨を下すよう求める。

(第二場)ポッペアの寝室
中央と両側にそれぞれ出入り口があって、カーテンがかかっている。ポッペアはオットーネに愛を誓い、彼にかくれているように、また何をきいても決して嫉妬しないようにと約束させる。オットーネが下手のカーテンのかげに身をくすと、ネローネが現れる。ポッペアは、ネローネへの愛を口にし、来るのが遅いとなじる。ポッペアが、ネローネをオットーネとは反対側の、上手のカーテンのかげにやっと押し込んだところへクラウディオが登場。ポッペアは巧みに彼を中央のカーテンのかげへと導いたのち、かくれているネローネに呼びかける。クラウディオが帰ったと早合点したネローネはクラウディオに見つかり、その叱責を受けてほうほうの体でアグリッピナのもとへ逃げ去る。ポッペアはクラウディオに、アグリッピナの怒りから自分を守ってくれるように約束させて、彼を送り出したのち、「本当の愛を楽しむのは素敵なこと。これで心も満足よ。」と歌い、オットーネと互いの愛を確かめ合う。

[第三幕] 王宮の玉座の間
ネローネが、クラウディオの怒りを鎮めるためにアグリッピナの助けを求める。アグリッピナは彼の軽率な行動が計画を台無しにしてしまったと叱り、皇帝となるためには、ポッペアをあきらめるようにと言い聞かせる。パランテとナルチーソは、アグリッピナの野心とそれに加担した自分たちの罪を、クラウディオに打ち明ける。クラウディオは誰の言うことが本当なのか迷うが、二人の廷臣の言葉がポッペアの言葉と符合するということに気付き、ネローネへの譲位を改めて懇願するアグリッピナを、皇帝の権力を犯すものだと非難する。しかしアグリッピナは、これはすべてローマと皇帝位の安泰を願ってしたことだと、言葉巧みにクラウディオを丸め込み、逆にポッペアの言葉を信用したと彼を責め、形勢の挽回を図る。クラウディオはこのもつれた争いを解決し、平和な余生を送りたいと願う。ポッペア、ネローネ、オットーネが到着したとき、クラウディオは、ネローネがポッペアの部屋に隠れていたことを叱責、ポッペアとの結婚を命じ、オットーネを皇帝位の後継者と宣言する。しかしオットーネはポッペアを失うことは死にも等しいと、皇帝の位につくことを拒否する。そこでクラウディオは、オットーネにポッペアと、ネローネに皇帝位を与えることとし、アグリッピナのためにゲルマニアにコロニア・アグリッピナを建設することを宣言する。クラウディオの宣旨に納得した一同は「ラインの波よ。幸に揺れよ。岸辺で祝え、愛の神の喜びを。」と歌い、愛の成就とローマ帝国の安泰、繁栄をたたえ幕となる。


他の公演
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アグリッピーナ(皇后):パトリシア・バードン
ネローネ(アグリッピーナの息子):ジェイク・アルディッティ
ポッペア(ローマの貴婦人):ダニエル・ドゥ・ニース
オットーネ(ローマの将軍):フィリッポ・ミネッチャ
クラウディオ(皇帝):ミカ・カレス
パッランテ(廷臣):ダミアン・パス
ナルチーゾ(廷臣):トム・ヴァーニー
レスボ(皇帝の従者):クリストフ・ザイドル
管弦楽:バルタザール・ノイマン・アンサンブル
指揮:トーマス・ヘンゲルブロック
演出:ロバート・カーセン
収録:2016年3月22、29日/アン・デア・ウィーン劇場(オーストリア)
主要な登場人物のうち、皇帝役以外は、すべて女声またはカウンターテナー(オリジナルはネローネとナルチーゾはカストラート、オットーネはコントラルトだったらしい)が受け持っているため、声だけ聴いていると誰が誰だか分かりにくいがそこは映像。観ているうちに声の印象より容姿の方が強いものとなってくる。
そして何より、カーセンの演出がユニークで、映像も用いつつ、現代のオフィス、寝室、プールサイドなどを舞台にスーツ、ドレス、水着姿などの歌い手/モデル(?)たちが古代ローマの話を演じていく。
アグリッピーナ、ポッペアの女声(二人はなかなか素晴らしかった)に対し、カウンター・テナー組はやや分が悪かったとはいえ、総じて水準以上の歌唱で楽しめた。
感心したのは、ヘンゲルブロックが指揮するバルタザール・ノイマン・アンサンブル。生き生きとした素晴らしいアンサンブルだったが、残念だったのはほとんどオケが映らなかったこと。実際にステージを観た人の感想がすごい。
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クラウディオ(皇帝クラウディウス):ギュンター・フォン・カンネン(バス)
アグリッピナ(皇后):バーバラ・ダニエルス(ソプラノ)
ネローネ(その息子):デーヴィッド・キューブラー(テノール)
オットーネ(ローマの軍人):クラウディオ・ニコライ(バリトン)
ポッペア(オットーネの恋人):ジャニス・ホール(ソプラノ)
レスボ(クラウディオの従僕):カルロス・フェレール(バス)
パランテ(廷臣):ウルリヒ・ヒールシャー(バリトン)
ナルチーソ(廷臣):エーベルハルト・カッツ(バリトン) 他
ケルン歌劇場合唱団
ロンドン・バロック・プレイヤーズ
指揮:アルノルト・エストマン 1985年上演
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108

 投稿者:gazzetta  投稿日:2017年 3月 2日(木)07時10分0秒
返信・引用
  2017年5月27日(土)  午後1時30分~
Rossini
ロッシーニ(1792~1868)新聞
La Gazetta
☆ ロッシーニ/ガゼッタ(新聞) ☆La Gazzetta

原作:カルロ・ゴルドーニ「結婚競争」
台本:ジュゼッペ・バロンバ、トットーラ
作曲:ジョアキーノ・ロッシーニ、1816年9月
初演:1816年9月26日、ナポリ、フィオレンティーニ劇場
演奏時間:第1幕74分、第2幕69分
時・所:パリ

登場人物
リゼッタ・・・・・・・・・・・・・・・・ハスミク・トロシャン
ドン・ポンポーニオ・・・・・・・・・・・ニコラ・アライモ
フィリッポ・・・・・・・・・・・・・・・ヴィート・プリアンテ
アルベルト・・・・・・・・・・・・・・・マキシム・ミロノフ
マダム・ラ・ローゼ・・・・・・・・・・・ホセ・マリア・ロ・モナコ
アンセルモ・・・・・・・・・・・・・・・ダリオ・シクミリ
ドラリーチェ・・・・・・・・・・・・・・ラファエルラ・ルピナッチ
トラヴェルセン
指揮:マウリツィオ・バルバチーニ
演出:ダリオ・フォー
2015年8月ペーザロ・ロッシーニ劇場

解説
年頃の娘を持つ商人ドン・ポンポーニオが娘リゼッタの結婚相手を求める新聞広告を出したのがそもそもの始まりとなるドタバタ喜劇、結局リゼッタは以前から恋仲だった宿屋の主人アルベルトとめでたく結ばれるというお話。

あらすじ

第1幕
パリの美しい庭園。
理想の女性を捜し求めている青年アルベルトは、理想の女性が見つからないと嘆いている。
世界中を歩いたのに、好みの女性にはめぐり合えなかったというアルベルトは、マダム・ラ・ローゼと一緒に新聞を買って読み始める。そこに、お金持ちの商人>ドン・ポンポーニオがやってくる。
彼は、娘の結婚相手募集の広告を新聞に載せたところ。これで世界中から求婚者が続々やってくるに違いないと自慢気だ。アルベルトが、その広告に気づいて読み上げるが、あまりにも法外なその条件に、みんな呆れ果ててしまう。こんな広告を出したのはいったい誰だ?尋ねられた新聞売りは、ドン・ポンポーニオを指差す・・

宿屋の主人フィリッポは、ドン・ポンポーニオの娘リゼッタと実は密かに愛し合っており、
彼の出した新聞広告のことで悩んでいる。そこに、旅の商人アンセルモが娘のドラリーチェと一緒に到着する。リゼッタもやってきて、わがまま娘振りを発揮していると、アルベルトがやってきて、新聞広告の求婚者として名乗り出る。フィリッポは、居合わせたリゼッタを自分の妻だと言って紹介したので、アルベルトは、折りよく来合わせたドラリーチェを新聞広告の女性だと思い込んでしまう。彼から新聞広告のことを聞かされたドラリーチェは傷つくが、アルベルトは本気でドラリーチェを好きになる。アルベルトは、ドン・ポンポーニオにお嬢さんをください」と申し入れるが、ドン・ポンポーニオは、アルベルトと言う名前が平凡すぎると言って気に入らない様子。
が、アルベルトは、「アレクサンドロス大王の父、マケドニアのフィリッポの末裔だ」とでっち上げたので、ドン・ポンポーニオは、娘のリゼッタに、「フィリッポという男と結婚させる」と告げ、違いした彼女は大喜び。しかし、父が指差す相手はフィリッポではなくアルベルト。アルベルトも、結婚相手がドラリーチェではないのでがっかりし、リゼッタはフィリッポの妻では?と言い出しドン・ポンポーニオは怒り出す。

問い詰められたフィリッポは、「新聞広告に腹を点てたリゼッタに仕返しをしたいと頼まれたので、夫のふりをしただけ」と弁解し、金持ちのクエーカー教徒が求婚にやってくるからと、ドン・ポンポーニオをだます。リゼットも口裏を合わせるのだが、フィリッポが結婚していると聞かされて気絶する。ドン・ポンポーニオは、娘が死んだと勘違いして嘆き悲しむ。
が、すぐに起き上がったリゼッタと言い争いになる。そこに、クエーカー教徒に返送したフィリッポがやってきて、求婚しにきたとドン・ポンポーニオに告げる。彼が気に入ったドン・ポンポーニオだが、娘のリゼッタは、半信半疑。フィリッポは芝居が台無しだと呟く。

第2幕
トラヴェルセンが、「お嬢さんと結婚したい」と申し出たので、アンセルモは大喜びする。
しかし、肝心のドラリーチェは浮かぬ顔をしている・・・彼女も、アルベルトに心惹かれているのだ。アルベルトも、ドラリーチェがトラヴェルセンと結婚してしまうのではないかと気が気でない様子。庭では、フィリッポが何とかリゼッタと仲直りをしようとしているが、リゼッタは意地を張っている。
が、フィリッポが「自殺する」と言い出すので、仲直りをする。恋に苦しむアルベルトは、
ドラリーチェが彼を愛しているとフィリッポから聞き、気を取り直す。
フィリッポは、「客のクエーカー教徒が帰ってしまったのはあなたのせいだ」と難癖をつけて、ドン・ポンポーニオに決闘を申し込み、アルベルトも、「お嬢さんをくれると言ったのに、結婚させてくれなかった」と言って、ドン・ポンポーニオに決闘を申し込む。が、3人とも、本気で決闘する気はないものだから、あれこれ言い訳を考えては決闘するのを引き伸ばし、結局、決闘しないで和解してしまう。

ドラリーチェは、「舞踏会を開いて、隙を見て駆け落ちしましょう」とリゼッタを誘う。
ドン・ポンポーニオが出発すると言ってやってきたので、慌てたリゼットは気絶する振りをする。息を吹き返したリゼットは、「自分で決めた人と結婚したい」と父に頼むが、ドン・ポンポーニオは聞き入れない。フィリッポは、ドン・ポンポーニオに、「トルコ人に返送して舞踏会に行けば、お嬢さんを捕まえることができる」と耳打ちする。
ドン・ポンポーニオは娘を見つけられない。トラヴェルセンとアンセルモもやってくるが、
マダム・ラ・ローゼに「娘さんたちはもう結婚してしまいましたよ」と言われてびっくり仰天。しかし、二組の恋人たちが許しを請うので父親たちも許すほかなく彼らの結婚を認めることにする。


「La Gazetta」 新聞
ロッシーニが活躍した19世紀。新聞は人々が情報を手に入れるための最優先のメディアでした。このオペラはそんな時代を反映して娘に理想の夫をみつけたい父親が新聞にお婿さん募集の広告をだすところから始まるコメディです。父の心配をよそに、ちゃっかり恋人のいる娘。そして理想の女性をさがしている青年などさまざまな人物が登場し、それぞれの思惑が入り乱れて・・・・・。
生まれ故郷のペーザロで行われたロッシーニオペラ・フェスティバルの公演から軽妙な音楽に彩られた楽しい舞台をご覧ください。


 

opera106

 投稿者:figaro  投稿日:2017年 2月11日(土)14時22分24秒
返信・引用
  Rossini
ロッシーニ(1792~1868)セビリャの理髪師
Il Barbiere di Siviglia

[原作]:ボーマルシェの同名の喜劇(1775年作)
[台本]:チェーザレ・ステルビーニ
[作曲]:ジョアッキーノ・ロッシーニ(1816年)
[初演]:1816年2月20日 アルジェンティーナ歌劇場(ローマ)
[演奏時間]:序曲7分、第一幕90分、第二幕63分

登場人物
フィガロ(理髪師)・・・・・・・・・・・ビョルン・ビルガー(バリトン)
ロジーナ(バルトロのめい)・・・・・・・ダニエル・ドゥ・ニース(ソプラノ)
アルマヴィーヴァ伯爵・・・・・・・・・ティラー・スティトン(テノール)
バルトロ(医師・ロジーナの後見人)・・・アレッサンドロ・コルベルリ(バリトン)
ドン・バジリオ(ロジーナの音楽教師)・・クリストロファス・スタンボグリス(バス)
ベルタ(バルトロ家の小間使い)・・・・・ジャニス・ケリー(メゾ・ソプラノ)
フィオレッロ・・・・・・・・・・・・・(テノール)
アンブロージョ・・・・・・・・・・・・(バス)
指揮:エンリケ・マッツォーラ
演出:アナベル・アーデン
2016年6月17日、21日 グラインドボーン音楽祭歌劇場

解説
自分の過去の曲から良いものを徹底的に利用し、さらに新しい名曲を加えたロッシーニのオペラ・
プッファの集大成的名曲。

序曲 ホ長調
第一幕
〔第一場〕バルトロ家の前の路上
夜明けも近い薄暗がり、楽師を連れてアルマヴィーヴァ伯爵が現われ、ロジーナヘセレナードを歌うが
応えはなく、楽師たちに多額の金貨をやると大騒ぎで礼を言うので懸命に静めて追い帰す。
遠くからフィガロが陽気にやってくる、アリア<私は町の何でも屋 Largo al factotum della citta'>
伯爵はフィガロを呼びとめてロジーナ攻略作戦に乗ってくれともちかける。その時露台に彼女が現われ
一葉の紙切れを落とす。後から来た後見人のバルトロがそれを怪しみ下に取りに行くが紙切れは伯爵が
拾ってもうない。バルトロはカンカンに怒り露台をしめ外出する。彼女の手紙には「後見人が煩わしく
外出も儘なりません。お名前と御身分をお教え下さい」とあった。
伯爵は歌に託して<私の名が知りたければ Se il mio nome saper voi bramate>と歌う。彼女はそれに
応えようとするが誰か来て戸をばたんとしめ彼女は奥に連れ戻される。伯爵はフィガロに礼をはずむぞ
と恋の手助けを頼む、二重唱<金を見れば知恵がわく All'idea di quel metallo>

〔第二場〕バルトロ家のサロン
ロジーナがリンドー口への愛を高らかに歌う、アリア<今の歌声 Una voce poco fa> バルトロが戻って
来たところに音楽教師のバジリオが現われ、アルマヴィーヴァ伯爵がロジーナを目当てにこの町にやって
来ているので、醜聞をまいて町から追い出しましょうと歌う、アリア<陰口はそよ風のように La calunnia e'
un venticello> しかしバルトロはすぐ彼女と結婚するのが最上の策だと言いながら二人で立ち去る。
フィガロが現われロジーナに、ある若者が君に夢中だと告げる。顔を赤らめながらもロジーナは喜ぷ、
二重唱<それじゃ私ね Dunque io son> 彼に手紙を書くようフィガロが勧めると、彼女はさんざん恥ずかし
そうな素振りをしながら、実は手紙はもう書いてあるのと差し出す。フィガロは近頃の娘に教える事は
ないと、その手紙をもらって帰る。そこに現われたバルトロはロジーナの指のインクを見咎め、彼女が
手紙を書いた事を見破るが、彼女が上手な言い逃れをするので怒り出す、アリア<わしのような先生には
A un dottore della mia sorte>を歌い、小娘の言訳なんか聞かぬぞと嚇す。扉を強く叩く音がし、
士官姿の伯爵が酩酊の振りをして入って来て、ここを今夜の宿舎とすると命令書を見せる。バルトロは
この家の宿舎割当免除証を出して見せるが、伯爵は乱暴にもそれを破って捨て、そこに現われたロジーナに
そっと手紙を渡す。彼が彼女の側に寄るのを見てバルトロは怒り出し伯爵も戦争ごっこをやるかと暴れ出す。
フィガロが仲裁にやってくるが時遅くこの家の喧躁に巡邏兵がやって来る。皆は隊長を前に罪のなすり合い
を演じ、隊長は結論として悪いのはこの士官と言って連行しようとすると伯爵は隊長に自分の身分の印を
そっと見せる。驚いた巡邏兵一同は直立不動の姿勢をとるので、バルトロは仰天する。やっと気を取り
戻して皆は再び巡邏兵に罪のなすり合いを演じ大騒動となる。

第二幕
〔第一場〕バルトロ家の書斎
バジリオの代理と称して伯爵が音楽教師に変装して現われる。疑うバルトロに伯爵は今朝ロジーナから
受け取った手紙を見せて、これを伯爵の官廷で手に入れたと言って渡すのでバルトロは彼を信用する。
歌の稽古が始まりロジーナが歌う、アリア<私の心に愛が芽ばえて Contro un cor che accende amore>
フィガロが髭をあたりにやって来て、奥に道具を取りに行く。フィガロはつまずいた振りをしてわざと
皿をガチャンと落とし、バルトロが慌てている隙に露台の鍵を抜き取る。伯爵もどさくさに紛れてロジーナに
愛を打ち明ける。そこに突然バジリオが現われ一同驚く、五重唱<ドン・バジリオ、大変だ
Don Basillio, cosa veggio> 伯爵は素早く財布を彼につかませ、うまく追い返す。フィガロが髭をそって
いる間に二人は今夜駈け落ちをする約束をするが、二人の様子を訝ったバルトロに変装を見破られ伯爵は
逃げ出す。一時して、またバジリオがやって来て、あのにせ音楽教師は実は伯爵ですとバルトロに告げる。
彼は財布に付いていた家紋から判ったのである。バルトロはあわてて今夜中に結婚式をあげてしまおうと、
バジリオに公証人を呼びにやる。そしてロジーナに、先に手に入れた手紙を種にお前の恋人は不実者で、
お前を口説いて伯爵の愛妾にするつもりだったと説明し、それを信じた彼女はバルトロとの結婚を承諾する。

-----間奏曲・・・・嵐の音楽-----

〔第二場〕
真夜中フィガロと伯爵が忍んで来る。ロジーナが私を伯爵に売るつもりの人となど一緒に逃げられません
となじると、伯爵は身分を明かし伯爵としてではなく、私個人を愛してくれるかどうかを知りたかったのだ、
と打ち明けるので、彼女の誤解も解ける。そこにバルトロが皆を連れて入って来る。伯爵はバルトロに
彼女の財産は総て与えるから、彼女を妻にいただきたいと言うので、初めから財産目当ての彼はしぶしぶ
ながら承知し、すべて丸く収まって幕となる。
 

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